刮目せよ 3

自転車とカメラを楽しみます。

『ED、磐梯吾妻スカイラインで生命の危機』 - 福島ライド Day2, Day3

Day1からの続き。

katsumoku3.hatenablog.com

 

Day2

Day1のSZのスポーク切れに加え、Day2は朝から予想以上の雨でテンションはガタ落ち。朝起きたものの、うだつの上がらない無為な時間を過ごす。

10~15時は掃除のために部屋を空けてほしいという宿のおっちゃんの言葉で、逃げるようにしてクルマで外出する。

 

昼から雨は弱まるらしいという予報を信じ、土湯峠を越えて福島市へ。磐梯吾妻スカイラインだけは走りたい、走る、とEDは主張。結局、ICIはEDに付き合って走り、SZはクルマで伴走してサポートすることに。

どうせ頂上に着くまで相当な時間がかかるし、風俗へでも行ってくればいいよとSZへ言い含めておく。SZの神速をもってすれば、いわきまでクルマを飛ばしてスッキリして帰ってきてもなお、余裕があるはず。

 

スカイラインにほど近いセブンイレブンで準備。直前にラーメンを食べていたが、ここでさらにおにぎり2個を口に詰め込み、バックポケットに薄皮クリームパンを差しておく。
歳を重ねるにつれて、マシントラブルやエネルギー切れへの恐怖から、どんどん装備が重くなってきている。

小雨の降るなか、ゆるやかにスタート。

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目標

この日の目標は、「会津の峠サイクルロゲイニング」を達成すること。つまり、最低でも浄土平まで上りきり、その先の土湯峠へ到達し、累計4ポイントを獲得すること。

cycle-rogaining.com

 

スカイラインは走行距離・斜度ともに半端ないことはStravaでも十分承知していたので、タイムのことは考えず、とにかく確実に走りきることに専念する。

ICIはルートの難易度を過小評価することに定評がある。N大サイクリング部にて部長を務めた彼は、これゆえに部員より畏怖され、覇王として君臨したという。以前に三人で埼玉-名古屋を走った際には、肉体はもちろんのこと、ICIによる控えめの申告と実際の距離とのギャップによって精神も苦しめられたことを思い出す。


磐梯吾妻スカイラインはICIにとっては走破済みの道である。その彼いわく、前半の勾配がずっとキツイ、無散水消雪区間が特にキツイ、が、旧料金所を過ぎるとマシになる、というもの。


高湯温泉まで

スタート地点からしばらく直進。果物屋の老婆の熱い視線を感じながら走っていると、程なく峠道に突入。高湯温泉まで7kmとの看板がある。ICI曰く、旧料金所もこの温泉街のあたりにあるという。
20kmのうちの7kmだから半分以下、最初にちょっと頑張れば、というふうに感じられるものの、冷静に考えると7kmは長い。埼玉で最大級の有間峠でも9kmでしかないのだ。

 

徐々に勾配がきつくなってくる。8%弱くらいだろうか。比較的舗装はキレイで走りやすい。鬱蒼と茂る木々の間を、淡々と進む。
ICIと無駄口たたくこともなく、たまに少し言葉を交わすのみ。ICIの後輪との距離を一定に保ち、ひたすら脚を回す。

 

 

無散水消雪区間がやってくる。10%を超える急坂がブラインドコーナーまで続く。終わりは見えない。勾配が緩む場所もない。しかも、荒れたコンクリまでもが推進力を奪う。
ギヤは34-28までとうに使い切っている。思いっきり前傾して、体重を乗せるダンシング。もはやリズムもクソもなく、ひとこぎひとこぎ踏みしめるように。
平坦なら慣性だけでずっと滑るように進むはずの車体が、ぜんぜん前に進まない。脚を踏み下ろした瞬間だけ、ぐわんと進み、すぐに止まろうとする。反対側の脚を踏み下ろすと、またぐわんと進むが、止まろうとする。これでは階段を歩くのと変わらない。

 

無散水消雪区間が終わると、かなり楽になる。もはや感覚が麻痺していて、けっこうな上り勾配だというのに、平坦になったような気がする。

 


さっき通過したはずの無散水消雪区間がまた目前に現れる。デジャヴや幻覚ではない。無散水消雪区間は一つだけではなかったのだ。
1つめの無散水消雪区間にはブラインドの大きな右カーブがあって、どこが終わりなのか見えなくて辛かった。が、2つめは直線的で、あんなところまで上るのか、と打ちのめされそうになって辛い。まったくいらないバリエーション展開である。


このあたりから知的活動を完全に放棄して、ただペダルを踏み下ろすだけの機械と化す。ICIの後輪と一定の差を保ちながら、ラインをトレースする。ペースにムラがないのがありがたい。
ICIは隙あらばシフトアップしていたが、EDはインナーローに貼り付けたまま。勾配がゆるくなったら、ケイデンスを上げて脚のストレッチをするチャンスだとみなした。

 

 

いつの間にか高湯温泉に着く。

ささやかな温泉街になっていて、ここでちょっと休憩。ICIが言うには急勾配区間は終了したそうだが、なにせ前科持ちのICIの発言なので安心はできない。ここでバックポケットでくしゃくしゃになっていた薄皮クリームパンを口に詰め込んで、体が冷える前に再出発。
すぐに旧料金所を通過。なにやら一人でうずくまっている男が見えたが、気にしない。


つばくろ谷まで

さっきまでは頭上まで覆いかぶさるように伸びていた木々がだんだんと低くなってきた。道路も、うねうねした小コーナーの連続から、直線とつづら折りヘアピンの組み合わせになった。標高が高くなってきた証拠だ。景色が変化していることに、ああ、エンドレスな異空間に迷い込んだわけではないのだ、と救われた思いがする。


地面に標高1000mのペイント。もう完全に馬鹿になっていて、だからなに?とこれといって感慨もなく通過。

https://www.instagram.com/p/BKiZgRGgv7T/

At 1000 meters elevation. 622 meters to go.

 

なにやら後ろから変なクルマが来た、絡まれても無視しよう、と思ったらSZのサポートカーだった。風俗店でスプリントしてきたのかどうかは定かではないものの、ここまでのペースを考えると、不可能ではなさそうではある。

つばくろ谷の不動沢橋。絶景を予感させるものの、何も見えず。

https://www.instagram.com/p/BKiaP1uAnxE/

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SZがiPhoneを構えているので、ここだけダッシュ。
やっぱり自分のフレーム小さいな、と確信に至る。ワンサイズ上げれば、90mmのステムをヘッドチューブにベタ付けか10mmスペーサー一枚でポジションを出せそうではある。

 

 


浄土平まで

さらに進むと、木々がほとんどなくなり、ゴツゴツした岩肌が露出し始める。ゴールが近いことを確信する。

https://www.instagram.com/p/BKiacwogzwh/

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このあたりから意識が覚醒したようで、記憶が鮮明に残っている。これだよこれ!と思いながら、ひたすら写真を撮りながら走った。
勾配が緩くなっているのか、元気がでてきたのか、ウキウキでダンシングしていたように思う。

https://www.instagram.com/p/BKiasYfAUM1/

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ここまでのほぼ全行程をペースメーカーとして頑張ってくれたICIをぶち抜き、辛そうな姿を激写しつつ、一足先に浄土平へ。SZとも合流。


気温が低いうえに、雨風が強くなってきている。とりあえずレストハウスに入り、豚汁を食べる。めちゃくちゃうまい。


ダウンヒル

外に戻ると風雨はさらに強まっていた。体は冷えて震え出し、ここでリタイヤしたくなる。が、ICIは当然のように走る気でいるので、気休めにマウンテンパーカーを羽織ってまた走り始める。命の危険を感じるので、土湯峠まで遅れずに来てほしいとSZに頼んでおく。

 

もうわけもわからずに必死で走る。心拍数を上げるために軽いギヤで高ケイデンスで。止まっているよりは走っているほうが体が温まることがわかる。

のちにICIも言っていたが、浄土平の休憩後、最高点までもう少しばかりヒルクライムが残っていたのがよかった。これで、浄土平からすぐにダウンヒルだったら、間違いなく凍えていた。

 

しばらくのアップダウンの後、1622mの最高点に到達。止まって写真を撮るかとICIに聞かれるが、早くゴールしたい一心から即座に却下。そのまま土湯峠までの長いダウンヒルに突入。

 

あまりに辛くて泣き出しそうなED。SWANS SOUは視界が広くて気に入っているが、下り勾配で一定以上のスピードを出すと、眼球に雨粒が直撃することがわかった。

 

寒いし、手はしびれるし、必死で路面を凝視しているしで、写真も記憶もろくに残っていないものの、無事にゴール。ここが土湯峠。

 

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タオルを忘れたので、くしゃっと揉みしだいた新聞紙で体を拭く。平時ならめちゃくちゃみじめで死にたくなるだろうが、ここまでが過酷だったので、むしろ開放感で清々しくさえある。

クルマに収容され、レークライン・桜峠を通って喜多方へ。2日連続喜多方ラーメンを食べ、宿で風呂に入り、この日は終了。

 

https://www.instagram.com/p/BKibAPRg1Oi/

#ramen #noodles #foodporn

 

あれだけ疲れたのに、たった40km足らずしか走ってないんだぜ…


Day3

この日も雨。


宿をチェックアウトしてクルマに乗り、ゴールドラインを通り、桧原湖沿いの休暇村まで移動。
EDとSZで裏磐梯スカイバレーを走ることに。ICIにクルマを頼み、頂上で拾ってもらう。

ICIのフロントホイールを、SZのLookへ装着。

 

Day1に着たジャージは、一応手洗いしておいたものの、生乾きで異臭を放っている。が、どうせ走行時間は1時間かそこら、雨も降っている、異臭の被害を受けるのはED自身とSZだけ、ということで構わず着替え、出発。

 

檜原湖の西側を北上。僅かなアップダウンを伴うものの、ほとんど平坦といってよく、信号もなくて走りやすい。天気が良ければ一周してみたいと思いつつ、30km/hオーバーで快走。

 

 

湖の北西、分岐手前でSZが先行。SZの後輪が巻き上げる泥水を堪能したのち、このペースに付いていくのは無理だと悟ったので、ペースを落とす。SZはあっという間に見えなくなる。

 

分岐から頂上までは8.8km、平均6%。なかなかのスケールではあるものの、Day2のスカイラインと比べると小粒。


 

インナーローのシッティングと、たまにストレッチで休むダンシングを織り交ぜつつ、のんびりと上る。頑張らず、体をほぐすイメージ。
埼玉県民からすれば、このスカイバレーも十分ビッグクライムではある。が、いかんせん昨日のスカイラインが過酷すぎたため、いまさら気負いも何もない。

 

やはり頂上付近は木々が低くて、絶景を予感させるものの、今日も相変わらずの悪天候でなにも見えず。駐車場でクルマに収容してもらい、全行程は終了。

 

 

 

 

Epilogueへ続く。

 

 

 

『SZ、猪苗代湖に散る』 - 福島ライド Day1

Prologueからの続き。

katsumoku3.hatenablog.com

 

 

福島へ

名古屋から馳せ参じたICIの初代ヴィッツに3人3台を積載して、埼玉から東北道・磐越道で移動。
自転車を積んで東北道を北上するクルマをほかにも数台見かける。おそらくツールド東北当選者だと思われるので、それとなく邪念を送っておく。

 

つつがなく移動し、宿泊先のこはんゲストハウスへ到着。
猪苗代湖すぐで、キャンプ場を通り過ぎた突き当りにある。民家にしては立派だな、という外見。

まずは宿のおっちゃんにクルマを置かせてもらう旨了承を得る。そのままクルマの脇で各自が思い思いに局部を露出し、レーパン・ジャージに着替える。周囲には誰もいないような立地なのだ。

 

猪苗代湖一周ライド

 

北岸

宿を出て、まずはキャンプ場を横に見やりながら未舗装路を流す。
ロードバイクでグラベルをグループライドしちゃうとかいうと、なんとも流行りに乗っかった意識の高いサイクリストっぽいが、ICIは過去の落車で派手に穴が空いたままのワイルドなジャージだし、SZはドーピングで永久追放されたあの選手の不名誉なジャージであるからして、なかなかロックだ。

 

1kmほど走って早速のコンビニ休憩。
EDは普通のおにぎりとパンを、ICIとSZは謎肉祭バージョンのカップヌードルを。喜んで食べる二人であったが、はたから見ると、ヤギやウサギのウ○コをトッピングしたようにしか見えない。

 

ここで湖畔北側の写真。雲に覆われているが、ほどよく暖かな、まずまずのライド日和。遠景が霞んでいるのが少々残念ではある。

 

ここから猪苗代湖を反時計まわりに走る。湖を時計の文字盤とみなしたとき、現在地点がおおよそ1時の位置。まずは北岸を西方へ向かう。

国道49号ではなく、湖岸すぐのサイクリングロードに入る。
右には、白く染まった蕎麦畑。そしてその後ろには雄大な磐梯山を見上げる。左には、穏やかで清澄な猪苗代湖を眺める。その素晴らしいロケーションで、三人は一陣の糞の香りの風*1となって駆け抜ける。

 

野口英世記念館の横でサイクリングロードは終了。国道49号に復帰して、そこそこの交通量のあるなか、EDを先頭に35km/hほどでさっさと通過する。

 

西岸

11~10時のあたり、会津レクリエーション公園で左折。ここからは県道376号で西岸を南下していく。景色はうって変わって、もはや農道といった趣。まばらな民家・畑・雑木林・湖畔の間を、緩やかなワインディングで駆け抜ける。

 

ここまでほぼ平坦だったものの、そうこうするうちに坂に接近。Stravaで「猪苗代湖南岸激坂」セグメントとして登録されている箇所だ。つづら折りのコーナーに加え、勾配15%の看板も雰囲気を盛り上げる。

ICIが重めのギヤをかけてダンシング。最盛期と比べるとボリュームを増した肉体ながら、相変わらずのヌルヌルとした無駄のないフォームで駆け上がっていく。SZもシッティングでそれに続く。EDは撮影のため、という体でさっさとインナーローに入れて脱落。
結局、SZが先頭で頂上を通過。「さすが埼玉からの車中でずっと寝ていただけあるね!」と惜しみない賞賛の言葉を投げかけ、また湖岸へ下りる。

 

https://www.instagram.com/p/BKiYHAGAWVY/

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湖岸を走り、田んぼを抜けた後、県道376号を離れ、こんどは林道へ突入。
湖は全く見えず、奥武蔵グリーンラインを彷彿とさせる、アップダウンのワインディング。


もはやがんばろうという気はなく、各自だらだら走りつつ、また湖岸へ下る。この時点で湖の南岸、7時の位置まで走ってきた。 

 

南岸・布引高原

ここからは猪苗代湖を離れて南進し、布引高原へ駆け上がる。誤差レベルの登坂しかない猪苗代湖一周60kmではボリューム不足だろうとEDが余計な気を回して、布引高原へのヒルクライムを組み込んだのだ。

南に進路を向けると、遠くの山々にやたらと多くの風力発電機が生えているのが見える。その数・密度には禍々しさすら感じる。


布引高原のヒルクライムは、Stravaでは「布引高原TT」として登録されており、距離5.8km、獲得標高404m、平均斜度6.9%。しばらくは川沿いをまっすぐはしり、後半につづら折りが連続する、単調なレイアウト。斜度はおおむね一定。

まずEDが先行し、すぐに追いついてきたSZと並走。ICIは後方でマイペースを保つ。やがてSZが追い抜いていくとじきに見えなくなって、EDはもはや追いつこうという気力もなくなり、解脱走法、もとい、ゾンビ走法で、ダメージを最小限に抑えつつ走る。


つづら折りゾーンに入ってふと後ろを見ると、ニヤリと笑うICIが真後ろに追いついてきていた。いますぐちぎらなければならない、と瞬時に悟る。このまま追い抜かれるのはもちろん、張り付かれるのですらダメだ、と。
ICIは「追いつけた」という安堵で力が抜けているだろうし、ここまでの追走で体力を消耗してもいるだろう。まごまごしていれば、ICIは「EDにはついていける」となおさら調子に乗るだろうし、体力も回復してしまうだろう。EDが先行していたアドバンテージはなくなる。だから、ちぎるならいま!
じわりとペースアップ。とくに、つづら折りのブラインドコーナーで踏む。コーナーを抜けたとき、ICIはEDの背中をはるか遠くに見て、絶望し、追走を諦めるだろう、というセコい思惑で。

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結局、その小賢しい思惑が成功した、わけではなく、単純にEDは体力が回復しつつあったので、また差を広げて、そのままゴールへ。なお、SZはとうにゴールして突っ立っていた。


見晴らしの良い駐車場付近でしばらく座り込んで休憩。ひまわりはもう枯れ、コスモスが咲き始めていた。さっきまですぐ近くにいた湖が、いまは霞んで見える。

「どこから来たの」「よく自転車でのぼるね」「いくらくらいするの」「タイヤ細いね」「ギヤ何段あるの」「その靴はなに」みたいなテンプレートのやり取りを2組の夫婦と交わす。

ひとしきり休憩したのち、折り返して、こんどはダウンヒル。

 

あっという間にまた湖畔へ戻る。今度は南岸を東へ。
雑木林のワインディングを快調に流していると、後方からバキン!という甲高い音。カンパはいちいち変速するたびにこんな騒音を撒き散らすのか、やれやれ、と思っていると、「SZがついてきていない」とICI。

アスファルトに激突して無残な肉塊と化したSZを想像しつつ、恐る恐る道を戻ると、はたしてSZは五体満足だった。そもそも落車すらしていない。が、前輪のスポークが破断し、もはや自走は不可能に。


ブレーキキャリパーを開放し、湖岸のキャンプ場まで押し歩き。SZにはそこで待機してもらい、EDとICIがクルマで拾いに戻ってくることにする。

 

東岸

ここからはICIとEDの2人で東岸を北上。残り距離は20km。時間がかかりすぎるとSZは力尽きて死ぬ、などと勝手に脳内で設定し、テンションを上げて出来る限りのハイペースで走行。怪しくなってきた天気も雰囲気を盛り上げる。
県道9号はアスファルトのひび割れが多いうえ、湖からの向かい風もある。それでも下ハンを持って、ピークパワーを維持する。


路面が荒れていると、意識的に重めのギヤを踏まなければ速く走れない。そして、こういう平坦を重ギアで踏み倒すシチュエーションこそ、アルミとカーボンの差がもっとも明らかになることは経験から知っている。

ああカーボンほしいカーボンほしいカーボンほしい、としかもはや考えられなくなったあたりで、ICIに交代してもらって休む。


突き当りを左折して国道49号へ。残り5kmでまた先頭へ出るものの、風とゆるい勾配でもう速度は上がらない。雨も振り始めた。
なんとか宿へたどり着き、すぐに自転車を屋根に積載。SZを救出するため、いま来た道をクルマで折り返す。

結局、SZを生きたまま回収できた。

 

そのまま喜多方のくるくる軒でラーメン。

https://www.instagram.com/p/BKiZDERg8Dc/

#ramen #noodles #foodporn

煮干しの効いた素朴な味わい。 

 

会津若松駅近くのサイケデリックな温泉施設で入浴ののち、宿にもどる。

予想以上の雨に気をもみながらも、疲れていたのでさっさと就寝。 

 

Day2, Day3へ続く。

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*1:蕎麦の花は、虫を引き寄せるためにそこはかとない異臭を放つ

『尻との決別』 - 福島ライド Prologue

「ツールド東北」にエントリーしよう、とSZが言い出したのが2016年5月。

 

あわや嘔吐というくらいボリューミーな炊き出し、意外とキツイ海岸線道路、そして道端ジェシカカレン*1の尻を漫喫したのが、2013年の第一回大会。

あの尻をもう一度というSZの熱意を汲み、シューカツのエントリーシートさながらの応募フォームから、東北への愛情を作文にしたためてまでエントリー*2したものの、結局落選。

 

 

尻へ執着するSZをなだめすかし、ICIの希望をふまえ、猪苗代湖・磐梯吾妻スカイラインを自分らで勝手に走ることにした。

磐梯吾妻スカイライン・レークライン・ゴールドライン・裏磐梯スカイバレーなどを織り交ぜつつ、自分の実力を棚に上げて距離220km、獲得標高5000mという鬼畜ルートを組んでみたりもしたものの、嫌になったらいつでも宿へ離脱できるようにしているあたり、ビビり具合がにじみ出ている。

 

 

Day1に続く。

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____

登場人物たち

 

ED - ブログを書いている人。不能ではない。

バイクはSpecialized Allez。シマノ105にカンパZonda。

 

SZ - アイアンマンレース完走経験もあるトライアスリート。人の話を聞き流す才能を発揮し、某地方公共団体にて利用者の親身になったりならなかったりしている。

バイクはLook 566。シマノ105にイーストンEA90SLX。

 

 

ICI - キャノンボーラー。シミュレータ上で殺した人は数知れず、子供にすら容赦しないという電脳連続猟奇殺人鬼、もとい、エンジニア。

バイクはRidley Noah。カンパChorusにEurus。

*1:派手なサーベロS5でちゃんと160km完走していた。が、エイドの炊き出しはガン無視。

*2:2016大会のエントリーでは、参加理由・東日本大震災との関わり・震災後のご自身の変化、という三項目についての記述が必須だった

ライド記録 - 有間峠で高校生を大人気なくちぎる

2016年7月18日

 

名栗路は個人的にもっとも好きなルートの一つだ。

 

どんどん渓流チックになる入間川沿いは涼しげで気持ちがいいし、コンビニ、個人商店、カフェ、公衆トイレが充実していて補給や休憩で困ることもない。巨大な観音像が直立する謎の宗教施設からの波動で力がみなぎってくる。

 

突き当りまで行って山伏峠を上るのもいい。4kmという程よい長さとそこそこの斜度は、ヒルクライム初心者にも大いにおすすめできる。
そこまでの気合がなくとも、名栗湖の短い急坂だけでも達成感は味わえる。
激坂ジャンキーなら子ノ権現に突撃してもいい。

そして、埼玉でもっともハードなヒルクライムをしたいなら、有間峠という選択肢もある。


名栗路の一本となり、という選択肢

多くの人は飯能駅前からK70に直行するだろうけれど、入間川を挟んで並走する迂回路をオススメ。

 

 

飯能駅前ロータリーから住宅街を抜け、飯能河原でBBQするリア充を割岩橋から見下ろしつつ、クルマの少ない道をK70と並走する。

 

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森牛乳・加藤牧場直売センターでジェラートを食べてもいい。

取水堰のあたりで右折してK70に復帰すれば、最終コンビニのセブンイレブン飯能原市場店やCafe KIKIをスルーすることもない。

 


有間峠に突入

 

 

名栗湖からさらに奥へ走って行くと、カヌー工房、管理釣り場がある。

「あくまで林道だから、落石とかでトラブルあっても知らないよ」的な看板を脇目に見つつ、ヒルクライムのスタート。


最初からかなりの勾配で、全長10kmということを考えると絶望する。

早々に、無心の境地に入る「解脱走法」へ移行する。脳と脚をカットする「ゾンビ走法」とも称する。


埼玉の峠はだいたい標高が低く、登りはじめには民家もちらほら、ということが多い。
が、有間峠はゲートを超えた瞬間から秘境感がかなりある。

人の少ない方へとどんどん奥へ入ってきて川遊びをする家族連れは直にいなくなり、林道マニアのジムニーとセローをたまに見かけるくらい。

 

5~6kmをすぎるとやっと勾配はゆるくなる。
最後の3kmはアップダウンの連続なので、序盤の急勾配と比べると休みがある分、楽になる。
が、タイムアタックをするとなるとむしろキツイはず。


5kmを過ぎたあたりで、押し歩きをする高校生3人組に追いつく。
あと4kmくらいだから頑張ろう、と声をかけて抜かすと、比較的走れるであろう1人がすかさず乗車して追いついてくる。この若さよ!

 

彼らの視界の範囲内だけはやせ我慢してカッコよく走り、見えなくなった頃合いを見てタレる、という目論見は破壊された。

 

急坂を蛇行して凌いだり(クルマやバイクの接近はかなり早い段階から音でわかる)、ストレッチがてら頑張らないダンシングを織り交ぜたりして、無様な走りをしないように耐え忍ぶ。


eTrexが頂上までの残り距離を教えてくれるので、徐々にペースアップ。
特に、ブラインドコーナーで、彼からこちらの背中が見えていないであろう間に踏む。
コーナー後のストレートで、一気に差が開いたことに愕然とし、彼はもはや追いかけるのを断念するであろうと見込んでのこと。

 

こうして文字に起こすと我ながらセコすぎる。


息も絶え絶えになりながら、追いすがる高校生を完全に突き放してゴール。


体温でホットになったおにぎりを食べ、一息ついて折り返し。ダウンヒル。

 

ほどなく、ちぎった高校生とすれ違う。完全に疲弊して押し歩きしていた。
「ゴールそこっすか!?」と必死の形相だったので、きっと追走は彼にとってオーバーペースだったのだろう。若い…

すぐに残りの二人ともすれ違う。乗車してわりと元気そうに登ってくる。
「あと1kmくらいだから頑張って!」と声をかけると「アッシャアっす!」と謎の声が帰ってくる。

 

こういう向こう見ずな冒険心って、自転車の原初的な楽しさを大いに支えるものだよなと確認した次第。

 

名栗湖をグルっとまわって、謎の壁画を眺めて帰宅。

https://www.instagram.com/p/BH_rTMiA-Pm/

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この壁画、以前はボロボロに剥がれていた。
いつの間にかキレイに塗り直され、「名栗武州世直し一揆」と題され、やっと意味がわかった。
なんで全裸なのかは不明。

 

走行距離: 113km

 

 有間峠総評

初めて走ってみた感想としては、有間峠はアドベンチャー感の強い峠。

比較的リスキーな場所で、タイムアタックのメッカにはならないだろう。

 

全長9.3kmで勾配8%というスペックだが、後半がゆるい分、前半がかなりキツイ。

が、前半5kmをクリアすれば頂上までは楽に行ける。

 

エッジの立った落石が多いので、パンクリスクは高い。今回パンクこそなかったが、タイヤには無数のキズが入った。

 

補給スポットは皆無。名栗湖の下の売店か、名栗湖の事務所にある自販機で十分な補給をしてから臨みたい。

 

ライド記録 - 野山北公園自転車道

「なんちゃってアドベンチャーライド」カテゴリーを追加した。

 

未舗装林道に突っ込むみたいなリスクを負いたくないけど、アドベンチャーっぽいライドがしたい。

それほど遠くまでは行けないけど、非日常でダイナミックな道を走ってみたい。

写真に映える景色を撮影してSNSにアップロードして、セルフブランディングしたい。

 

みたいなわがまま・自己満足・下心全開のカテゴリーになる予定。

 

 

2016/6/1 - 野山北公園自転車道

 

きったねえ情緒のあるトンネルを通るサイクリングロードがあるというので行ってみた。

 

多摩湖こと村山貯水池の南西に位置する野山北公園自転車道

廃線跡を利用した短いサイクリングロードで、クルマは入れない程度のほっそりしたトンネルを複数つないだ道。

このトンネルがこれまた暗くて汚くてなかなかそそるのである。

 

自宅を出て、県道6号川越所沢線と、県道55号所沢武蔵村山立川線を走る。

西武ドーム横をえっちらおっちら上り、そのまま多摩湖の南岸へ。

青梅街道を西進し、ふたたび県道55号と交わったら北上。

 

その道沿いに「横田トンネル自転車道」が見えてくる。

 

 

 

突入。

https://www.instagram.com/p/BGGK2xIJ2sP/

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中はじめっとしていてやたら涼しいというか、うすら寒い。そして暗い。

この気味悪さ、最高である。

 

トンネルを出た、と思うと、また次のトンネル。

 

赤堀トンネル。

 

御岳トンネル。

 

赤坂トンネル。

 

 

赤坂トンネルを出ると、そこでおしまい。

 

このままグラベルに突入しようかとも思ったけれど、Googleマップ的に通り抜けられるか微妙だし、そもそもパンクしたらめんどくさい。ので、諦めてUターン。

 

 

あっという間にスタート地点に戻る。

片道5分かそこらの短さで、かつ、行き止まりになっていてどこかへ抜けられるわけでもない、という誰得感はある。

が、多摩湖からほど近い場所で、このアドベンチャー感を味わえるという意味ですごく気に入った。

 

文句なしでなんちゃってアドベンチャーに認定。

 

https://www.instagram.com/p/BGGKpRVp2r1/

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一回走れば満足なのは否めないけど、多摩湖から近いので、ぜひ立ち寄るのをおすすめ。

 

Stravaのデータ

走行距離: 65.1km

走行時間: 3h5m