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刮目せよ 3

自転車とカメラを楽しみます。

『ED、磐梯吾妻スカイラインで生命の危機』 - 福島ライド Day2, Day3

Day1からの続き。

katsumoku3.hatenablog.com

 

Day2

Day1のSZのスポーク切れに加え、Day2は朝から予想以上の雨でテンションはガタ落ち。朝起きたものの、うだつの上がらない無為な時間を過ごす。

10~15時は掃除のために部屋を空けてほしいという宿のおっちゃんの言葉で、逃げるようにしてクルマで外出する。

 

昼から雨は弱まるらしいという予報を信じ、土湯峠を越えて福島市へ。磐梯吾妻スカイラインだけは走りたい、走る、とEDは主張。結局、ICIはEDに付き合って走り、SZはクルマで伴走してサポートすることに。

どうせ頂上に着くまで相当な時間がかかるし、風俗へでも行ってくればいいよとSZへ言い含めておく。SZの神速をもってすれば、いわきまでクルマを飛ばしてスッキリして帰ってきてもなお、余裕があるはず。

 

スカイラインにほど近いセブンイレブンで準備。直前にラーメンを食べていたが、ここでさらにおにぎり2個を口に詰め込み、バックポケットに薄皮クリームパンを差しておく。
歳を重ねるにつれて、マシントラブルやエネルギー切れへの恐怖から、どんどん装備が重くなってきている。

小雨の降るなか、ゆるやかにスタート。

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目標

この日の目標は、「会津の峠サイクルロゲイニング」を達成すること。つまり、最低でも浄土平まで上りきり、その先の土湯峠へ到達し、累計4ポイントを獲得すること。

cycle-rogaining.com

 

スカイラインは走行距離・斜度ともに半端ないことはStravaでも十分承知していたので、タイムのことは考えず、とにかく確実に走りきることに専念する。

ICIはルートの難易度を過小評価することに定評がある。N大サイクリング部にて部長を務めた彼は、これゆえに部員より畏怖され、覇王として君臨したという。以前に三人で埼玉-名古屋を走った際には、肉体はもちろんのこと、ICIによる控えめの申告と実際の距離とのギャップによって精神も苦しめられたことを思い出す。


磐梯吾妻スカイラインはICIにとっては走破済みの道である。その彼いわく、前半の勾配がずっとキツイ、無散水消雪区間が特にキツイ、が、旧料金所を過ぎるとマシになる、というもの。


高湯温泉まで

スタート地点からしばらく直進。果物屋の老婆の熱い視線を感じながら走っていると、程なく峠道に突入。高湯温泉まで7kmとの看板がある。ICI曰く、旧料金所もこの温泉街のあたりにあるという。
20kmのうちの7kmだから半分以下、最初にちょっと頑張れば、というふうに感じられるものの、冷静に考えると7kmは長い。埼玉で最大級の有間峠でも9kmでしかないのだ。

 

徐々に勾配がきつくなってくる。8%弱くらいだろうか。比較的舗装はキレイで走りやすい。鬱蒼と茂る木々の間を、淡々と進む。
ICIと無駄口たたくこともなく、たまに少し言葉を交わすのみ。ICIの後輪との距離を一定に保ち、ひたすら脚を回す。

 

 

無散水消雪区間がやってくる。10%を超える急坂がブラインドコーナーまで続く。終わりは見えない。勾配が緩む場所もない。しかも、荒れたコンクリまでもが推進力を奪う。
ギヤは34-28までとうに使い切っている。思いっきり前傾して、体重を乗せるダンシング。もはやリズムもクソもなく、ひとこぎひとこぎ踏みしめるように。
平坦なら慣性だけでずっと滑るように進むはずの車体が、ぜんぜん前に進まない。脚を踏み下ろした瞬間だけ、ぐわんと進み、すぐに止まろうとする。反対側の脚を踏み下ろすと、またぐわんと進むが、止まろうとする。これでは階段を歩くのと変わらない。

 

無散水消雪区間が終わると、かなり楽になる。もはや感覚が麻痺していて、けっこうな上り勾配だというのに、平坦になったような気がする。

 


さっき通過したはずの無散水消雪区間がまた目前に現れる。デジャヴや幻覚ではない。無散水消雪区間は一つだけではなかったのだ。
1つめの無散水消雪区間にはブラインドの大きな右カーブがあって、どこが終わりなのか見えなくて辛かった。が、2つめは直線的で、あんなところまで上るのか、と打ちのめされそうになって辛い。まったくいらないバリエーション展開である。


このあたりから知的活動を完全に放棄して、ただペダルを踏み下ろすだけの機械と化す。ICIの後輪と一定の差を保ちながら、ラインをトレースする。ペースにムラがないのがありがたい。
ICIは隙あらばシフトアップしていたが、EDはインナーローに貼り付けたまま。勾配がゆるくなったら、ケイデンスを上げて脚のストレッチをするチャンスだとみなした。

 

 

いつの間にか高湯温泉に着く。

ささやかな温泉街になっていて、ここでちょっと休憩。ICIが言うには急勾配区間は終了したそうだが、なにせ前科持ちのICIの発言なので安心はできない。ここでバックポケットでくしゃくしゃになっていた薄皮クリームパンを口に詰め込んで、体が冷える前に再出発。
すぐに旧料金所を通過。なにやら一人でうずくまっている男が見えたが、気にしない。


つばくろ谷まで

さっきまでは頭上まで覆いかぶさるように伸びていた木々がだんだんと低くなってきた。道路も、うねうねした小コーナーの連続から、直線とつづら折りヘアピンの組み合わせになった。標高が高くなってきた証拠だ。景色が変化していることに、ああ、エンドレスな異空間に迷い込んだわけではないのだ、と救われた思いがする。


地面に標高1000mのペイント。もう完全に馬鹿になっていて、だからなに?とこれといって感慨もなく通過。

https://www.instagram.com/p/BKiZgRGgv7T/

At 1000 meters elevation. 622 meters to go.

 

なにやら後ろから変なクルマが来た、絡まれても無視しよう、と思ったらSZのサポートカーだった。風俗店でスプリントしてきたのかどうかは定かではないものの、ここまでのペースを考えると、不可能ではなさそうではある。

つばくろ谷の不動沢橋。絶景を予感させるものの、何も見えず。

https://www.instagram.com/p/BKiaP1uAnxE/

Instagram

 

SZがiPhoneを構えているので、ここだけダッシュ。
やっぱり自分のフレーム小さいな、と確信に至る。ワンサイズ上げれば、90mmのステムをヘッドチューブにベタ付けか10mmスペーサー一枚でポジションを出せそうではある。

 

 


浄土平まで

さらに進むと、木々がほとんどなくなり、ゴツゴツした岩肌が露出し始める。ゴールが近いことを確信する。

https://www.instagram.com/p/BKiacwogzwh/

Instagram

 

このあたりから意識が覚醒したようで、記憶が鮮明に残っている。これだよこれ!と思いながら、ひたすら写真を撮りながら走った。
勾配が緩くなっているのか、元気がでてきたのか、ウキウキでダンシングしていたように思う。

https://www.instagram.com/p/BKiasYfAUM1/

Instagram

 

ここまでのほぼ全行程をペースメーカーとして頑張ってくれたICIをぶち抜き、辛そうな姿を激写しつつ、一足先に浄土平へ。SZとも合流。


気温が低いうえに、雨風が強くなってきている。とりあえずレストハウスに入り、豚汁を食べる。めちゃくちゃうまい。


ダウンヒル

外に戻ると風雨はさらに強まっていた。体は冷えて震え出し、ここでリタイヤしたくなる。が、ICIは当然のように走る気でいるので、気休めにマウンテンパーカーを羽織ってまた走り始める。命の危険を感じるので、土湯峠まで遅れずに来てほしいとSZに頼んでおく。

 

もうわけもわからずに必死で走る。心拍数を上げるために軽いギヤで高ケイデンスで。止まっているよりは走っているほうが体が温まることがわかる。

のちにICIも言っていたが、浄土平の休憩後、最高点までもう少しばかりヒルクライムが残っていたのがよかった。これで、浄土平からすぐにダウンヒルだったら、間違いなく凍えていた。

 

しばらくのアップダウンの後、1622mの最高点に到達。止まって写真を撮るかとICIに聞かれるが、早くゴールしたい一心から即座に却下。そのまま土湯峠までの長いダウンヒルに突入。

 

あまりに辛くて泣き出しそうなED。SWANS SOUは視界が広くて気に入っているが、下り勾配で一定以上のスピードを出すと、眼球に雨粒が直撃することがわかった。

 

寒いし、手はしびれるし、必死で路面を凝視しているしで、写真も記憶もろくに残っていないものの、無事にゴール。ここが土湯峠。

 

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タオルを忘れたので、くしゃっと揉みしだいた新聞紙で体を拭く。平時ならめちゃくちゃみじめで死にたくなるだろうが、ここまでが過酷だったので、むしろ開放感で清々しくさえある。

クルマに収容され、レークライン・桜峠を通って喜多方へ。2日連続喜多方ラーメンを食べ、宿で風呂に入り、この日は終了。

 

https://www.instagram.com/p/BKibAPRg1Oi/

#ramen #noodles #foodporn

 

あれだけ疲れたのに、たった40km足らずしか走ってないんだぜ…


Day3

この日も雨。


宿をチェックアウトしてクルマに乗り、ゴールドラインを通り、桧原湖沿いの休暇村まで移動。
EDとSZで裏磐梯スカイバレーを走ることに。ICIにクルマを頼み、頂上で拾ってもらう。

ICIのフロントホイールを、SZのLookへ装着。

 

Day1に着たジャージは、一応手洗いしておいたものの、生乾きで異臭を放っている。が、どうせ走行時間は1時間かそこら、雨も降っている、異臭の被害を受けるのはED自身とSZだけ、ということで構わず着替え、出発。

 

檜原湖の西側を北上。僅かなアップダウンを伴うものの、ほとんど平坦といってよく、信号もなくて走りやすい。天気が良ければ一周してみたいと思いつつ、30km/hオーバーで快走。

 

 

湖の北西、分岐手前でSZが先行。SZの後輪が巻き上げる泥水を堪能したのち、このペースに付いていくのは無理だと悟ったので、ペースを落とす。SZはあっという間に見えなくなる。

 

分岐から頂上までは8.8km、平均6%。なかなかのスケールではあるものの、Day2のスカイラインと比べると小粒。


 

インナーローのシッティングと、たまにストレッチで休むダンシングを織り交ぜつつ、のんびりと上る。頑張らず、体をほぐすイメージ。
埼玉県民からすれば、このスカイバレーも十分ビッグクライムではある。が、いかんせん昨日のスカイラインが過酷すぎたため、いまさら気負いも何もない。

 

やはり頂上付近は木々が低くて、絶景を予感させるものの、今日も相変わらずの悪天候でなにも見えず。駐車場でクルマに収容してもらい、全行程は終了。

 

 

 

 

Epilogueへ続く。